今、どんな仕事をしていますか?
今は特に、単行本の第1巻を本として仕上げていくことに注力しています。カバーやデザインをどう見せるか、作家さんやデザイナーさんと密に連携しながら模索中です。それがヒットにつながるかどうかは、実際に世に出てみないとわかりません。正解のない中で、世の中を見据えながら「好き」を追求できる編集の仕事は、とても楽しいです。
どんな時に仕事のやりがいを感じますか?
書店で自分が担当した作品を見つけた瞬間には、やはり言葉にできない喜びがあります。作家さんと一緒に悩み、考え抜いた作品が、遂に形として読者のもとに届いたのだと実感できるからです。
「面白かった」「続きが気になる」といった反応をいただけたら、こんなに嬉しいことはありません。自分も漫画に影響を受けてきたからこそ、顔も名前も知らない誰かの人生の一瞬に関われたと思うと、大きなやりがいを感じます。
あとは、単行本のあとがきで漫画家さんに名前を出してもらえた時でしょうか。出版物に名が載ることは、歴史に名を刻んだような感覚が少しあるかもしれません!
オーバーラップに入社したての頃に先輩社員に言われた忘れられない言葉を教えてください。
漫画家さんから初めてネームを受け取ったとき、先輩に「嬉しさで感情が昂ってると思うから、落ち着くまで見ないで」と止められたことが印象に残っています。読者が漫画を読むとき、編集者一個人の「嬉しい」という事情は介在しません。この出来事は、常に読者目線を忘れずにいるという姿勢を思い出させてくれる、大切な指針になっています。
作品制作において、 編集者は作家にとってどのような存在であるべきだと考えていますか?
「並走するパートナー」「ファン」「アドバイザー」…編集の役割にはさまざまな形があると思いますが、私はそのすべてに変化できるような存在でありたいと考えています。作家さんによって編集との心地よい距離感は異なりますし、一方で常に優しい関係だけが最善とも限りません。面白い作品を生み出すために、必要とされる役割を見極めて動くことを意識しています。
オーバーラップに入社して良かったことを教えてください。
ずばり、日頃から「オタク議論」に興じられることです!
次元を問わず、さまざまなジャンルに精通したオタクがこれだけ集まっている環境は、なかなか他に無いのではないでしょうか。
知らない界隈の魅力を教えてもらうことも多く、日々発見があります。話し相手にはまず困りません。
