Q1 なぜ出版業界を目指したのですか?
元々は公認会計士を目指していて、簿記も取ったけれど……。正直全然興味を持てなかったんだよね。それで改めて「自分が面白いと思っていることって何だろう?」と考えた時に、中学生の時から好きだったライトノベルが一番面白いと思って。それを仕事にできたら一番楽しいだろうなと思って出版業界を目指したかな。
ゴンは元々公認会計士を目指していたんだね。知らなかったよ。方向性を切り替えることって相当な勇気が必要だったと思うんだけど……
それよりも清々しかったかな!今までやりたいことよりも、やったほうが良いことを考えてきたから、やりたいことに振り切れたのは自分なりの人生を歩んでいる感じがした!
私は結構飽き性だから興味ないものは本当に興味なくて……。興味がないと続かないと思ったし、面接のときに志望動機を話すことができないと思ってエンタメ系にしたかな。あとは、親がエンタメ好きだったから、そういう娯楽が身近にあった影響も大きかったと思う。だから出版社だけではなくて、音楽制作会社とか芸能事務所とか色々探していた。だけどその中で一番小さい頃から続けていた趣味が本で、出版業界を第一志望にしたんだよね。
ナナはエンタメ全般を志望していたんだね。「おもしろい」がないと続かないかもっていう不安はナナと同じように僕にもあったよ。ヒイロはどうして出版業界を目指したの?
僕は中学生で、勉強や部活の繰り返しに「つまらなさ」を感じていた時に、友人から深夜アニメを勧められたんだよね。それを見たときに、自分の考え方とは全く違うものが流れ込んでくることが衝撃的で。自分の生活が「つまらない」のは自分の捉え方が悪くて、捉え方を変えるだけで見えている世界が変わることを作品から教えてもらったことがきっかけで、人の価値観を変えてしまうほどの本を自分も作りたいと思って出版社を目指したんだ。

Q2 選考を受けるにあたって意識していたことは何ですか?
僕は特に言葉選びを考えていたかな。自分が伝えたいことをキャッチーなワードに変換して、相手の記憶に残るような面接にすることを意識していたよ。「この人面白いな」って思わせないと通らないって思っていたから。
僕は結構迷走したなあ。最初は特に考えずに普通の面接をしていた。でもそれで通らなくて、面接が得意な友達に面接練習をしてもらった。そうしたら、友達からは「熱意が伝わって来ないから、自分の良いところを伝えたほうがいい」って言われたんだよね。それを実践したら最終面接まで進められるようになったけれど、そこで沢山落ちたんだよね。なんでだろうって考えたら、「好きだからやりたい」という想いを論理的に伝える必要があったのに情熱だけで伝えていた。
伝え方は大切だよね。ゴンが言うように「何かを成し遂げたい」っていう気持ちを伝えるには論理性が必要だと思う。熱意とか情熱をアピールしたいなら、成し遂げたいことが叶ったときに「自分がどう気持ち良いのか」を説明できるのが大事だと思う。
そうだね。「好き」を伝える仕事だから言語化する力が見られていると思う。自分は自分の感情を知っているけれど面接官は知らないからね。
ESは何を意識してた?
僕が意識していたのは「聞き手に残るキーワードを含めること」かな。「読者に本を届けたい」じゃなくて「作品と読者の橋渡しをしたい」みたいな。本と同じでキャッチコピーとかタイトルとかで面白いと思ってもらわないとページを開いてもらえないから、最初の一文のキャッチーさを意識してたかな。
サイトで見るようなお手本のESは結構ふわっとした内容で、私も最初それを真似して書いたこともあったけれどあんまり通らなくて。結局は自分が会社に入って何がしたいか、例えば「BLでシリーズ物を作りたい」のような目標を書いていたら通過することが増えたと思う。
自分が会社で働いているイメージを持ってもらうみたいなね。
そうそう。例えば出版社だと作風とかがあるから、それを踏まえて「自分だったらこういう作品を出したい」とか「こういう風にしていきたい」っていうことを書いていた。
「会社に入って何がしたいんだろう」っていうことを結構明確に書いていたんだ。
うん。それを会社で実現できるくらいの内容で書くことが大事だと思う。
ゴンのコツは?
相手が「こいつの話聞きたいな」って思うようなES書きたいって思っていたかな。なんでもいいと思うんだけど、僕は結構「変わったことをしている人間だ」ということを強調して書いたんだよね。例えば趣味の欄に「ボディビルのポージング1日1時間練習しています」みたいな。
僕もそうやって工夫することは結構大事だと思うよ。ESって一貫性がないとダメみたいな意識が就活生みんなにあって。「〇〇職だからそれに似た感じの趣味じゃないとダメ」みたいな。そうではなくて、本当の自分自身がどういう人かを紹介するのが大事だよね。

Q3 オーバーラップの選考で印象的だったことは何ですか?
二次面接で趣味のゲームの詳細を聞かれたんだよね。僕がスマホのクイズアプリをやっていて、そこでネットの友達を作った話をした記憶がある。……いや、勝手に喋ったのか?
(笑)
私は二次面接で緊張して最初に支離滅裂なことを言ったんだよね。面接の雰囲気もどん底になっちゃって。そしたらいきなり面接官の方から「会社に入って一番最初に何をしますか? 例えば、オフィスに行って挨拶回りするとか。」って聞かれて。
急に!?
そうそう。それで「ランチに行きます」って答えたんだよね(笑)その話題がきっかけで話の流れが変わって、スラスラ話せるようになったんだよね。面接の雰囲気を変えて引き出して下さったことがありがたかったなって。
その人の本質的なところを見たいと思って質問の角度を変えてくれたのかもね。
そうかもね。カガリはどう?
ESで書いた自分の好きな作品について「あなたがその作品の編集者だったら今後どういう展開にしますか?」って深堀りされた記憶があるな。「読者」ではなく「編集者」として作品をどう見ているか、みたいな部分を詳しく聞かれたんだよね。
インターンで編集者の仕事を間近で見てきたからこそ聞かれているよね。結構人によって質問を変えているんだと思うな。
その人が考えていそうなこと、得意なことを引き出してもらっているみたいな感じはあるね。
そしたらカガリにとってはド真ん中の質問だったんじゃない!?
超絶難しかったけどね!? 僕も「ランチ行きます~」みたいな話をしたかった~(笑)
(笑)

Q4 何故オーバーラップに決めたのですか?
出版社の編集職志望だったけど、その中でも特にBLに関わるお仕事が一番したかった。だけど、BLの編集ってあまり新卒を募集していなくて、就活としてはかなり厳しかった。そういう状況の中でご縁があって内定をいただいて、しかもBL作品を扱っていたから、オーバーラップに決めた。
僕は何個か出版社に内定をもらっていて、どこにしようか決めかねているときに、第10回オーバーラップ文庫新人賞の金賞を受賞された北条連理先生の『これが「恋」だというのなら、誰か「好き」の定義を教えてくれ。』に出会ったのが決め手。主人公が人間関係に悩みながら、自身や大切な人との感情と向き合って成長していくお話なんだけど、僕が制作に携わりたいヒューマンドラマにフォーカスした作風と似ていてさ。文芸に寄りつつある今のライトノベルの傾向を捉えて柔軟に対応できる会社なうえに、入社した際に挑戦したいことができると思ったんだよね。
僕は社風で決めた。内定者懇談会で会社に来た時にオフィスから笑い声が聞こえてきて、この会社なら楽しく働けると思ったのが決め手かな。
僕は工業系を高専、大学と続けてきて。でも出版社でどうしても働きたかったから、理系企業を受ける傍ら記念受験くらいの感覚で出版は受けていた。文系の人が受かるイメージだったから、受かった時は喜びのあまり、即答で入社の意思を伝えたね。
何が良いって思われたんだろうね?
知りたーい!